第00940号-株式の譲渡益と課税方式とは 一日一問FP合格への道
一日一問FP合格への道
2025年11月17日号
VOL.940
皆さんおはようございます!
今日もFP合格に向けてがんばりましょう。
■本日の問題
株式の売買によって得られた譲渡益は、申告分離課税の対象となる。
■答えは?
↓
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○正しい
■解説
問題のとおりです。
株式を売買して得た利益、いわゆる「譲渡益」は、税法上では「譲渡所得」の一種として扱われます。
譲渡益とは、株式を購入した価格に手数料などの費用を加えた取得費を差し引いたうえで、売却によって実際に得た利益のことをいいます。
たとえば、100万円で株式を購入し、120万円で売却、手数料が1万円であった場合、譲渡益は120万円−(100万円+1万円)=19万円となります。
この株式の譲渡益には、「申告分離課税」という課税方式が適用されます。
申告分離課税とは、給与所得や事業所得などのほかの所得とは分けて税金を計算し、一定の税率で課税する方式です。
上場株式などの譲渡益に対しては、次の税率が適用されます。
・所得税:15.315%(うち0.315%は復興特別所得税)
・住民税:5%
・合計:20.315%
したがって、株式の譲渡益が20万円であれば、約4万円の税金が課されることになります。
株式の取引では、多くの投資家が証券会社の「特定口座」を利用します。特定口座とは、証券会社が投資家に代わって取引の損益を計算してくれる口座のことで、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。
「源泉徴収あり」を選ぶと、証券会社が利益ごとに自動で税金を計算し納付してくれるため、原則として確定申告は不要です。
「源泉徴収なし」や「一般口座」を利用している場合は、自分で年間の取引損益を計算し、確定申告を行う必要があります。
また、株式取引で損失が出た場合には、同じ年の他の株式の利益や配当所得と損益通算をすることが可能です。それでも控除しきれない損失がある場合は、確定申告を行えば翌年以降3年間にわたって繰り越して控除できます。これを「繰越控除」といい、翌年以降の利益に対する税負担を軽減する効果があります。
以上のように、株式の売買によって得られた利益は、ほかの所得とは区別して課税される「申告分離課税」の対象であり、税率は一律20.315%です。
特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、確定申告の手間を省くことができ、税務処理が簡便になります。
FP3級試験では、この「申告分離課税」という言葉と、「特定口座」「損益通算・繰越控除」の仕組みをセットで理解しておくことが重要です。
■出題範囲
金融資産運用
編集者:yama