ファイナンシャルプランナー(FP)技能士資格試験1級について

FP技能士資格試験1級について


ファイナンシャルプランナー1級もその出題範囲は
「ライフプランニングと資金計画」
「リスク管理」
「金融資産運用」
「タックスプランニング」
「不動産」
「相続・事業承継」
以上の6課目なので、2級と変わりありません。
しかし、求められる知識は非常に深いものとなっています。
試験合格率を見てもわかるように学科の合格率は僅か10%前後と非常に狭き門となっています。
また、1級の学科試験は実務経験のない人は受験できないという点からも、その出題内容が実務的であることがわかります。

実技は「資産相談業務」と「資産設計提案業務」の2課目です。
まず資産相談業務ですがこちらは(株)金融財政事情研究会のみが実施しており面接試験となります。2度面接を行い200点満点中120点以上獲得すれば合格です。
本来の実務においても私達はお客様を相手にして様々なアドバイスを行いますので、この面接試験はその練習にもなりますね。

次に「資産設計提案業務」ですが、こちらは日本FP協会のいが実施しています。
試験形式は記述式の筆記試験となります。こちらも2問出題され、100点満点中60点を獲得すれば合格です。
どちらも試験内容は、
「関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング」
「顧客のニーズおよび問題点の把握」
「問題解決策の検討・分析」
「顧客の立場に立った対応」
が重要視されるものです。
実技試験は合格率も8割~9割と非常に高いので、1級の最大の関門は学科試験ということになります。

FP1級試験概要


出題形式
学科:【基礎編】(マークシート方式) 4答択一式 【応用編】筆記試験(記述式) 5題
実技:口頭試問形式
持込み品
筆記用具(HB以上の濃い鉛筆、消しゴム) 計算器具(プログラム電卓を除く)
合格基準
学科:200点満点で120点以上 / 実技:200点満点で120点以上
1級
学科
(社)金融財政事情研究会
8,900円
実技
資産相談業務
(社)金融財政事情研究会
25,000円
資産設計提案業務
日本FP協会
20,000円

FP1級試験の受験資格


  • FPに関する実務経験が5年以上ある者
  • FP技能士試験2級の合格者でFPに関する実務経験が1年以上ある者

以上の条件のいずれかを満たした場合、FP1級の学科試験の受験資格を得ることができます。
そして、学科試験に合格した方だけが実技試験に挑戦することが出来ます。

■学科試験免除要項

  • 東京都認定職業訓練「FP養成コース」修了者で実務経験が1年以上ある者
  • CFP認定者・CFP資格審査試験合格者

以上いずれかの要件を満たした場合1級の学科試験は免除となり、実技試験から受験することが出来ます。

FP1級学科試験出題範囲


FP1級出題範囲一覧
ライフプランニングと資金計画
リスク管理


■ファイナンシャル・プランニングと倫理
■ファイナンシャル・プランニングと関連法規
■ライフプランニングの考え方・手法
■社会保険
■公的年金
■企業年金・個人年金等
■年金と税金
■ライフプラン策定上の資金計画
■中小法人の資金計画
■ローン及びカード
■ライフプランニングと資金計画の最新の動向

■リスクマネジメント
■保険制度全般
■生命保険
■損害保険
■第三分野の保険
■リスク管理及び保険
■リスク管理の最新の動向
金融資産運用
タックスプランニング


■マーケット環境の理解
■預貯金・金融類似商品等
■投資信託
■債券投資
■株式投資
■外貨建商品
■保険商品
■金融派生商品
■ポートフォリオ運用
■金融商品と税金
■セーフティネット
■関連法規
■金融資産運用の最新の動向

■わが国の税制
■所得税の仕組み
■各種所得の内容
■損益通算
■所得控除
■税額控除
■定率減税
■所得税の申告と納付
■個人住民税
■個人事業税
■法人税
■法人住民税
■法人事業税
■消費税
■会社、役員間及び会社間の税務
■決算書と法人税申告書
■諸外国の税制度
■タックスプランニングの最新の動向
不動産
相続・事業承継

■不動産の見方
■不動産の取引
■不動産に関する法令上の規制
■不動産の取得・保有に係る税金
■不動産の譲渡に係る税金
■不動産の賃貸
■不動産の有効活用
■不動産の証券化
■不動産の最新の動向



■贈与と法律
■贈与と税金
■相続と法律
■相続及び税金
■相続財産の評価(不動産以外)
■相続財産の評価(不動産)
■不動産の相続対策 
■相続と保険の活用
■個人住民税
■個人事業税
■相続・事業承継の最新の動向

FP1級実技試験出題範囲


FP1級試験実技出題範囲一覧
資産相談業務

関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング

ファイナンシャル・プランニング業務に必要とされる倫理観を正しく理解し、関連業法との関係を理解したうえで相談に当たることができること

個人顧客のニーズ及び問題点の把握

顧客属性、保有金融資産、保有不動産等に関する具体的な前提条件に基づいた総合事例における相談の全体像を理解し、資産運用、相続・事業承継等に関して顧客のニーズおよび顧客が抱える問題点を詳細に把握できること

問題の解決策の検討・分析

問題解決に当たって、当該問題を解決する知識を活用できるとともに、ファイナンシャル・プランニング業務で必要とされる関連知識を駆使した分析ができ、複数の解決策の検討ができること

顧客の立場に立った対応

顧客のライフプランに基づき、最も現実的かつ適切な問題の解決策を、明確な論旨に基づくとともに、相手にわかりやすく説明できること

資産設計提案業務

関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング

ファイナンシャル・プランナーと関連業法の関係や、ファイナンシャル・プランナーに求められる職業上の倫理観を正しく理解したうえで、適切かつ総合的な提案が行えること。ファイナンシャル・プランニングの現状を正しく理解したうえで、顧客に説明できること。

顧客データの収集と目標の明確化

顧客データを正確に把握するとともに、顧客の生活設計上の希望を、具体的かつ適切な数値上の目標に設定できること。

顧客のファイナンス状況の分析と評価

現状の顧客のファイナンス状態の分析や問題点の把握・検討を行えること。

プランの検討・作成と提示

顧客の数値化した目標を達成でき、生活設計上の目標を達成できるための対策を、総合的に検討し、適切かつ包括的な提案が行えること。プランの見直しの必要性について顧客に説明し、理解させることができること。